あさのあつこ
夜叉桜

前作『弥勒の月』の続編。

江戸の町で3人の娼婦が次々と喉を掻き切られて殺された。被害者の一人が挿していたかんざしから、もと武士で小間物問屋「遠野屋」の主人・清之介に目をつけた同心の木暮信次郎は、「下手人は女の喉をさばくことを楽しんでいるとしか思えねえ」と探索を進めていく。

そのなかで、遠野屋の手代や、武家の出の娼婦・菊乃など、市井の人々が隠し抱えていた過去が明らかになっていく……。